ばね指


ばね指とは?
「ばね指とは、指に発症する腱鞘炎の一種を指します。症状としては、指の付け根の痛みや腫れなどの炎症症状が引き起こされます。初期の症状は朝方に悪化し、痛みが強く感じられますが、指を動かすと多少楽になることが多いです。症状が進行すると、ばねのように跳ねる動作を伴うようになることから、ばね指と呼ばれています。」
ばね指の根本原因は?
「ばね指」の主な原因は、手や指の使い過ぎによるものです。具体的には、パソコンのキーボードやマウスの操作、長時間のゲームやスマホの使用、テニスやゴルフなどの手を使うスポーツ、ピアノなどの楽器演奏、編み物などが挙げられます。
また、50歳前後の女性は、更年期における女性ホルモンの分泌の減少により、腱や腱鞘の状態が弱くなり、傷みやすくなる上、血行不良により腱鞘の内部が狭くなるため、ばね指の発症のリスクが高くなると言われています。産前・産後の女性も、更年期と同様にホルモンバランスが乱れやすく、一時的に更年期と似たような状態になるため、ばね指のリスクが高まります。
さらに、関節リウマチや糖尿病などの持病を持つ方は、末梢の血行不良が見られることから、ばね指のリスクが高くなります。
こんなお悩みはありませんか?
特に朝方に強く痛みが出る
寝ている間は筋肉をほとんど使っておらず、血流量が下がることから動きが悪くなり、朝方痛みが生じます。
指の曲げ伸ばしが滑らかではなく、途中で引っかかりを感じる
手の指を曲げる屈筋腱は、腱鞘というトンネルの中を通っています。この腱と腱鞘が使い過ぎなどによって炎症を生じ、腱鞘が厚くなったり、狭くなると腱が腱鞘を通る時に引っかかりを感じます。
指が曲がったまま戻らない
腱鞘というトンネルを腱が上手く通り抜けられていない状態になっているために生じます。
手のひら側の指のつけ根に痛みや腫れ、熱を持った感じがある
手のひら側の指の付け根に腱の通り道である腱鞘があるため、痛み、腫れにより熱感を生じます。
曲がった指をまっすぐ伸ばそうとするとばねのように跳ねる
無理に強い力をかけると、腱の引っかかりが外れて腱鞘を通過する瞬間、急に跳ねるように指が伸びます。
上記のいずれか1つでも該当すれば、ばね指の可能性が疑われます。
なお、ばね指はどの手指にも起こり得るものですが、中でも親指、中指などでの発症率が高くなります。
ばね指に対する当院の考え
ばね指については程度にもよりますが、軽度のものであれば一定期間安静をとることによって自然と回復することもあります。ただし、腱鞘炎のように炎症を起こし症状が出るということは、それだけ腱や腱鞘に負担がかかっているということが伺えます。他のご病気でも同様に、知らず知らずのうちに負担がかかっているケースも多いです。負担をかけてしまった心当たりがあり、それが本来の原因で、さらに一過性のものであればよいですが、自身の知らないところで負担が恒常的にかかっている場合、負担がかかり続けることになりますので、自然回復が難しくなります。ですので、放置せずに、どうして、どのようにして症状が起きているのかを専門機関で相談するのがよいでしょう。
ばね指はなぜ起こるのか?
ばね指が起こる原因は一つではありません。
・日常生活や仕事で手を多く使う場合、特に同じ動作を繰り返すことが多い場合、手指の関節に負担がかかります。例えば、キーボードやマウスを使用したり、細かい作業を行ったりすることが該当します。
長時間同じ姿勢で手を使うことがばね指を引き起こす原因となることがあります。例えば、デスクワークをする際に不適切な姿勢を取ることがこれに該当します。
・運動不足でもばね指が見られることがあります。筋肉の衰えや関節の柔軟性の低下を招くことがあります。手指の関節も同様で、運動不足が続くとばね指のリスクが高まります。
ばね指を放っておくとどうなるのか?
ばね指を放置してしまうと、さまざまな機能的な障害を引き起こすことがあります。放置すると指の関節の動きが硬くなり、症状が出ている指だけでなく、健常な指の動きにも障害が生じることがあります。悪化すると、握力の低下が見られることもあります。また、指が完全に握り込めなくなることがあり、日常生活動作において支障をきたすこともあります。さらに、指の関節自体が変形することが確認されており、関節の変形により動きが制限されるだけでなく、見た目にも影響を及ぼすことがあるため、気にされている方も多くいらっしゃいます。
ばね指に効果的な当院の施術メニューは?
当院では「ばね指」に対して、テーピング、鍼、手の極みというメニューをご提供しています。ばね指に対する基本的なアプローチは、固定による安静です。テーピングで患部を巻き、損傷している筋肉を休ませることで、自然治癒を促進します。しかし、主婦の方や子育て中の方、または仕事上の理由で固定が難しい方もいらっしゃいます。そのような場合には、鍼や手の極みを行います。鍼は体内の細胞を刺激し、身体の修復力を利用して軽減が期待される施術です。手の極みは、腕から手にかけての筋肉をほぐし、動作をしやすくする施術です。鍼や手の極みは、固定ができないため、回復には時間がかかることがあります。
その施術を受けるとどう楽になるの?
テーピングを行うことにより、周辺筋肉のサポートで患指が動かしやすくなり、安静を保つことにより腱鞘や腱の炎症による肥厚が減少し、動かしやすくなります。また、鍼では、直接損傷している患部の負担を減らし、周辺の筋肉にかかっている余分な負荷を軽減することができます。手の極みでは、前腕から手先にかけて多くの筋肉をほぐし、患部の軽減を図ります。また、手の極みはばね指以外にも、手腕の酷使による手の痛みがある方や、デスクワーカー、スポーツパフォーマンス向上を目指す方にもおすすめのメニューです。
ばね指を軽減するために必要な施術頻度は?
ばね指に対する施術頻度については、症状の進行具合や重さによって多少前後することがありますが、当院では週に1回〜3回を目安にご来院いただくことを推奨しています。症状が悪化すると、機能障害を引き起こすことや、関節の変形が起こることもありますので、できるだけ早期に施術を行い、軽減を目指すことが重要です。